大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)544 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人長谷川寛上告趣意について。

記録によれば、所論原審公判期日については、被告人の召喚及び弁護人に対する

通知等いずれも適法になされていたにも拘はらず、被告人及び弁護人は右期日に出

頭しなかつたため、原審裁判長は被告人のため弁護士Aを弁護人に選任して公判に

立会せしめ、さきに長谷川寛弁護人の提出した控訴趣意書に基ずき弁論をさせた上

結審したものであることが認められる。弁護人は右期日には開廷にわずか十五分遅

刻しただけで被告人とともに開廷中の裁判所に出頭したと主張するのであるが、被

告人等が本件審理の進行中に原審法廷に出頭したことを認むべき何等の証跡もない。

従つて仮に本件弁論の終結後、原審が他の事件の審理のため開廷していた間に、被

告人等が出頭したとしても、一旦終結した弁論を再開すると否とは原審の裁定に委

ねられているところであるから、原審が被告人等に重ねて弁論の機会を与えるため

再開の措置をとらなかつたからとてこれを目して違法ということはできない。原判

決には単なる訴訟法違反も存在しないのであり、所論違憲の主張はすべてその前提

を欠き、刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当しない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一一月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

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裁判官真野毅は出張中につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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